あかすり

0
2

まだまだ若いと思っていたが最近、加齢臭を感じるようになった。
それに日々の仕事の疲れからか体も重い…そんな時、部下から垢すりに一緒に行かないかと誘われた。
肌は綺麗になるし体の汚れも落ちてすっきりする。ニオイも良くなるようだ。
それはいい。ぜひ受けよう!

しかし俺に限って垢すりは何の効果もなかった。日々の疲れも汚れも加齢臭もどうにもならない。
俺は部下に文句を言った。

「お客様、ご不満ならその垢、私が落として差し上げましょう」
名乗り出たのは女垢すり師。美人だな…せっかくだし受けてやろう。
「お客様は表の垢だけではなく裏の垢も落とす必要があるのです」
ほうほう…
「会社の人間には言えない裏垢。これは酷いですね…」
!?それは関係ないだろう!
「いいえ、関係あります。お客様のやり方、相当きな臭いです。こちらの垢、警察にも見てもらいます」
俺の臭さに女は顔を顰めた。
警察もまた顔を顰めた。
ミステリー・推理
公開:20/07/04 19:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容