真夜中のコンビニ

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深夜の仕事の休憩中、先輩がいい店があると言って一軒のコンビニを教えてくれた。
店内は無人で人の気配がない。
「この店、監視カメラもないし万引きし放題なんだ」
先輩は金も払わず商品を持って店を出る。
私はお弁当の代金をカウンターへと置く。万引きは犯罪だ。
「ありがとうございます」
吃驚した。カウンターに存在感の薄い店員が立っていた。
「すみません。僕、存在感が薄くていつも驚かせてしまうんです。それはそうと、お客様こちらをどうぞ」
店員は一本の蝋燭を私にくれた。
「それは命の蝋燭。この店でお金を払ってくれた方にお渡ししております。それに火をつけると1カ月は寿命が延びます」
胡散臭い…それより、さっきから万引きされ続けているんですけどいいんですか?
「ええ、大丈夫です。お金を払わない方々からは命を頂いております故」
外で大きな音がした。目を向けると先輩が倒れている。
店員は微笑んだ。
「ほらね」
ホラー
公開:20/07/04 19:08

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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