ぬいぐるみ

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大切なぬいぐるみを母が洗濯してしまった。案の定、若干小さくなり僕の元へ帰ってきた。

「やだやだ、くまさん小さくなっちゃいや!」

泣き喚いたら母に叱られた。

「あなたが汚すからでしょ!」

いつも一緒でずっと遊んでいるから汚れてしまうのは仕方がなかった。その度その度、ぬいぐるみは洗濯された。
僕は神様にお願いした。

「くまさんを小さくしないでください」

神様は願いを叶えてくれた。

月日は立ち、僕は高校三年生になっていた。高校最後のインターハイに悔いを残さぬよう気合を入れる。

「それじゃ行ってくるよ」

玄関で幼い頃からの友のぬいぐるみに声をかける。
僕と同じ身長になったくまさんと目があった気がした。
ファンタジー
公開:20/07/05 16:19

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