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いつの間にかカクテルのコップにクラゲが浮かんでいた。邪魔なのでつまみ出そうとすると、触れた指先がひりっと痛んだ。
そいつは白く濁った液の中だけでは飽き足らず、そのうち空中に漂い始めた。天井すれすれを漂うクラゲに気を取られている間に、コップの中にはまた別のクラゲが浮かんでいた。
気が付くとカップからあふれたクラゲが天井に犇めいていた。窓を開けるとクラゲは部屋からあふれ、扇風機の風に吹かれて外へ飛んでいった。そのままコップを外に投げ捨てると、窓の外はどんどんクラゲで埋まっていく。
空がすっかり覆われてしまうと新しいクラゲは地表近くを漂うようになり、そのうち道行く人の悲鳴が聞こえてきた。世界の終わりなんてこんな物か、と僕は窓を閉め、新しいコップにカクテルを注いだ。カクテルのコップにはクラゲが浮かんでいた。
そいつは白く濁った液の中だけでは飽き足らず、そのうち空中に漂い始めた。天井すれすれを漂うクラゲに気を取られている間に、コップの中にはまた別のクラゲが浮かんでいた。
気が付くとカップからあふれたクラゲが天井に犇めいていた。窓を開けるとクラゲは部屋からあふれ、扇風機の風に吹かれて外へ飛んでいった。そのままコップを外に投げ捨てると、窓の外はどんどんクラゲで埋まっていく。
空がすっかり覆われてしまうと新しいクラゲは地表近くを漂うようになり、そのうち道行く人の悲鳴が聞こえてきた。世界の終わりなんてこんな物か、と僕は窓を閉め、新しいコップにカクテルを注いだ。カクテルのコップにはクラゲが浮かんでいた。
SF
公開:20/07/03 21:28
海と魚と怪獣が好き。
飽きやすいので継続できるかどうか分かりませんが、今は文章を書くのが楽しいです。
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