やるきなこ

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 きな粉にやる気の出る作用があることが発表された。
 人々はきな粉をこぞって買いあさった。世界中できな粉が消費されるようになった。それに伴い各国は大豆を大量生産。
 世界はやる気に満ち溢れ、全ての問題が解決されたかに見えた。
 しかし、その代償も大きかった。大豆に頼りすぎたために、脳の構造が変化。自力でやる気を出す力が退化し、消失してしまったのだ。
「きな粉は危険だ」
 科学者たちが警告を発した。しかし、きな粉をやめるという決心をするためのやる気を出すためにもきな粉が必要なのだった。
 もう、十分な畑を確保するだけの土地は世界のどこにもない。
「きなこを確保しなければ!」
 ある国はきな粉が枯渇し、補うための侵略戦争を引き起こした。それが引き金となり第三次世界大戦が勃発。
 しかし戦争は早期に終結した。荒れ果てた土地に、もはやきな粉は育たず、人類は生きる気力すら失い、自滅してしまったのだ。
SF
公開:20/07/01 20:54
更新:20/07/01 22:09

ゆぅる( 東京 )

お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!

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