真夜中のコンビニ

『呪いの藁人形・１体５千円』
深夜２時に少し前、私はコンビニのレジカウンターに置かれたそれを見て目を丸くした。
「それ、今大人気の商品なんですよ。藁人形に釘を打ち付けるだけでストレス発散になるみたいで凄く売れているんです。ただ、子供には見せられないので深夜販売限定商品ですけど。お一ついかがですか？」
店員の言葉に断りを入れる。私は仕事柄、人の恨みを買う事も多い。だからこそ、私は人を恨まないでいようと決めているのだ。
「そうですか…それじゃ、そっちの身代わり藁人形はどうですか？呪いの藁人形から飛んでくる呪いを、そっちの藁人形は代わりに受けてくれるんです」
私に必要なのはそっちかな？身代わり藁人形の方は１体千円。物は試しだ。購入してみよう。
「ありがとうございました」
商品の入った袋を受け取ると深夜２時を告げる時報が鳴る。
何となく袋の中身を覗いてみると身代わり藁人形が早くも呪いを受けていた。