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最初はただの火遊びだった。
年上のライターの火村とはマッチングアプリで知り合った。体を許し、お金を受け取るだけの関係。
変化が生じたのは、私が炎上したときだ。
互いに干渉しない約束だけど、その日の私は余りに落ち込んでいたらしい。
「どうした?風前の灯火みたいな顔して」
『実はネットで炎上してさ』
「ネットなんて少しの火種があれば、すぐに薪を焚べにくる奴ばかりさ。近づきすぎると火傷じゃすまない。距離をとればあったかいのにな」
『さすがライター』
それにチャッカマンだ。普段、無口な彼の言葉は、私の心に火をつけた。
それから、ホテルの後には焼鳥や焼餃子を食べにいくようになり、少しずつお互いのことを知っていった。

「お金はもう払えない。俺と付き合ってくれないか?」
ある夜、ベッドの上で彼に告げられた。
私の心は今、完全に焼き尽くされた。
『灰』
一瞬、真っ白になった私は抱きしめられてまた燃えた。
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公開:20/07/02 17:55

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

★第19回坊っちゃん文学賞大賞『ジャイアントキリン群』

★2025年12月、2冊同時刊行の電子書籍
『3分間のまどろみ カプセルストーリー』(Gakken)に『恐竜バーガー』寄稿。

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の選択』、六文字の返信ほか)
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ショートショートの可能性と豊かさが詰まったアンソロジーですのでぜひ!
 

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