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俺は夕焼け色に染まった公園のベンチに腰掛けながら、そこら辺で拾った吸い殻をふかしていた。
何だい、俺の人生ったら。今まで何も良いことなんてなかったなあ。
ああ、いいなあ。砂場で遊んでる子供たち。お前らはいいよな、まだ何も知らなくて。ああ、消えてしまいたい。俺の人生、夢じゃねえのかなあ。惨めだ。
 …ん、何だ、ゴミか?あれは… 違う、何かが降りてきてる。あれは、どん帳じゃないか?
 すると、さっきまで無邪気に遊んでた子供たちが、急にそそくさと整列をし、こちらを向いて、歌を歌い始めた。
 「〇△※ー♪ ◇☆♤ー♪」
何も聞こえねえや。ええ?俺の為に歌ってるのかい?だとしたら、せめてもっとうまい歌を歌ってくれよ。
 そんなことを気にしているうちに、もう緞帳は頭まで降りてきていた。子供たちは、どん帳の向こう側にいる。
 ああ、ついに俺の人生は終わりか。
 目の前に、終という文字が浮かび上がった。
公開:20/06/30 20:02

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