都会のお墓

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私は今、友人の墓参りに行くという彼に同行して大手携帯ショップを訪れている。
「島本さんのお墓をお願いします」
出て来たのは古びたスマホだった。
彼はスマホを前に手を合わし黙祷した。急いで私もそれに倣う。

「ここじゃ墓石を建てる立地がないから生前使っていたスマホを墓石代わりにしているんだ。都会ならではの弊害って奴だよ」
彼が教えてくれた。
「俺はちゃんとしたお墓に入りたいから大学卒業したらお前の故郷で就職するよ」
結婚を前提に付き合っている彼は私に約束してくれる。
「今日はあともう一カ所、墓参り行くから」
彼と一緒にやってきたのは交差点だった。
「森木は歩きスマホで死んだんだ」
彼の手を合わす先を見ると地面にスマホが埋まっていた。
「森木には家族も親戚もいない。だからここで無縁仏になっているんだ」
都会に来てからというもの地面に埋まったスマホををたまに見かける。
あれって、そう言う事なの?
ホラー
公開:20/06/30 19:08

どんぐり三等兵

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。

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