星座のかたち
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「星座ってなめてるよね」
朱里はスマホの星座アプリを片手に呟いた。
林間学校の夜。僕達は各々の寝室を抜け出し、二人で宿舎のベランダから星空を眺めていた。
周囲の明かりは消え、スマホのライトだけが僕らを照らしている。
「見て。やぎ座とかただの三角形だよ?何でもありじゃん」
そう言って朱里はスマホを見せた。
「昔はもっと星が見えて、ちゃんとやぎっぽい形だったのかも」
僕がスマホを見ずに答えると、朱里は不服そうに口を尖らせた。
涼風が彼女の髪を揺らし、石鹸の匂いが届いてくる。
「見えていることが全てとは限らないってことかもね」僕は少しカッコつけてみた。
「なにそれ、ちょっとムカつく」
そう言うと朱里は首を傾け、僕の顔を覗き込む。その仕草に僕はなぜだか胸が苦しくなった。
「でも逆に、見えないから良いってこともあるんじゃない?」
彼女はそう微笑むと、スマホのライトを消してそっと背伸びをした。
朱里はスマホの星座アプリを片手に呟いた。
林間学校の夜。僕達は各々の寝室を抜け出し、二人で宿舎のベランダから星空を眺めていた。
周囲の明かりは消え、スマホのライトだけが僕らを照らしている。
「見て。やぎ座とかただの三角形だよ?何でもありじゃん」
そう言って朱里はスマホを見せた。
「昔はもっと星が見えて、ちゃんとやぎっぽい形だったのかも」
僕がスマホを見ずに答えると、朱里は不服そうに口を尖らせた。
涼風が彼女の髪を揺らし、石鹸の匂いが届いてくる。
「見えていることが全てとは限らないってことかもね」僕は少しカッコつけてみた。
「なにそれ、ちょっとムカつく」
そう言うと朱里は首を傾け、僕の顔を覗き込む。その仕草に僕はなぜだか胸が苦しくなった。
「でも逆に、見えないから良いってこともあるんじゃない?」
彼女はそう微笑むと、スマホのライトを消してそっと背伸びをした。
青春
公開:20/06/29 17:00
更新:20/06/29 15:38
更新:20/06/29 15:38
文章を書くのは楽しいけど、難しい!
読んだ人が楽しんでもらえるよう、がんばります。
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