タンタン病

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生物界で、長い部分が短くなるという奇病が蔓延していた。
ゾウの鼻、キリンの首、ウサギの耳、アリクイの舌、タコやイカの足、ヘビやミミズの体など、それは多岐に及ぶものだった。
この奇病は【タンタン病】と名付けられ、生物学者たちが治療薬の開発を急いだ。しかし、あまりにも未知な部分が多く、糸口を見いだせずにいた。
そんな中、ひとりの男が世紀の発見をする。タンタン病に担々麺が効くというのだ。
その後の実験で、担々麺のスープが【タンタン免疫】を作り出すと解明された。こうして念願の治療薬が完成したのである。
治療薬は体の小さな生物から順に使用され、隅々まで行き渡るには時間を要した。我先に、と割り込んで手を出す動物もいた。体の大きなゾウである。待っていられない、と痺れを切らしたのだろう。
やがてタンタン病は終息した。ただ、ゾウの鼻は短いままだ。お手つきをした罰だろうか。鼻の代わりに、手首が長くなっていた。
その他
公開:20/06/28 23:23
くびがながいぞう スクー

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
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