家の前を通る人

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暇に任せて縁側に座り、前の道を行き交う人達をボーッと見ていた。
買い物に行くおばちゃん、遊びに行く子供達、スーツ姿のセールスマン、パチンコ通いのオッサン、郵便配達の兄ちゃん、宅急便の軽トラ、水道メーター検査員、何故か怪しい奴、うろつく猫、散歩中の犬、皆それぞれの人生を抱えて生きている。
幸せか苦労しているかは分からぬが、勝手に想像を膨らましてみる。その人の過去や未来を自分の脚本と演出で適当に決め楽しんでいた。
すると突然、映画で見た様な「下に~下に~」にと大名行列が通りかかった。町民はハハッと土下座をしないと、無礼者としてお手打ちにされるかなと心配したが、こちらは目に入っていないのか完全スルーされ、行列はどんどんと進んで見えなくなった。
またいつもの様におばちゃんやオッサンが通って行く。今見た行列は一体何だったんだろう。瞬間的にタイムスリップしてしまったのか、はたまた夢か幻か?
ファンタジー
公開:20/06/29 19:38
更新:20/07/04 09:36

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