真夜中のコンビニ

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丑の刻。ふと小腹が空き、長屋の外に出る。どこぞで蕎麦でも食うか。
川沿いを歩けば屋台の一つくらいあるだろうと思っていたが今日に限って一軒の屋台も見かけない。まいったな…
とぼとぼと帰路についていると明るい屋敷と遭遇した。私が近づくと勝手に開く扉。物の怪か!
「いらっしゃいませ」
西洋の衣類に身を包んだ若者が声をかけてきた。ここは何かの店か?
試しに蕎麦を一杯頼んでみると若者は面妖な薄い器に湯を注ぎ始めた。
それをふぅどこぉとなる場所で食すよう指示され、見慣れぬ蕎麦を口にする。
その美味さに度肝を抜かれた!身も心も奪われた!
あの夜の事は今でもはっきり覚えている。
この話をすると長屋の連中から馬鹿にされるのが非常に癪だがな。

僕はあの夜の事を今でも忘れない。
真夜中のコンビニでバイトしていたら、タイムスリップしてきたお侍さんが蕎麦を食べていった。
話すと馬鹿にされるので誰にも話さないけど。
ファンタジー
公開:20/06/29 19:00

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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