じゃれてくる、のらの雲
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道端で雲をひろった。水分が足りず弱っていたから、数日家に置いて水をやった。
元気になった雲を放した翌日。日差しの強い7月の午後。
大学の帰り道、頬に水滴があたって顔を上げた。
一瞬ビー玉かと思った。
大粒の水が一斉に、遊ぶように落ちてきた。石畳で次々と水が砕け、光が四方へはじける。
日向の水の匂いがいっきに頭の高さまで立ちのぼった。
どしゃ降りの水飛沫。
夏の日差しを閉じこめた水玉が重なりあい、景色がかすむ。
通り雨だったのか、
空から落ちる飛沫はすぐにおさまった。
その時、見覚えのある形のした雲が視界に入った。
空気中にはまだ水分が溢れていて、両目に収まりきらない虹が涼しげに弧を描いていた。
なついたのか、それ以降も空によくあの雲を見かけた。
かわいいし虹を見せてくれるが、じゃれ方が半端じゃない。天気雨はいつも不意打ちで、服のままプールに飛び込んだようなありさまになる。
元気になった雲を放した翌日。日差しの強い7月の午後。
大学の帰り道、頬に水滴があたって顔を上げた。
一瞬ビー玉かと思った。
大粒の水が一斉に、遊ぶように落ちてきた。石畳で次々と水が砕け、光が四方へはじける。
日向の水の匂いがいっきに頭の高さまで立ちのぼった。
どしゃ降りの水飛沫。
夏の日差しを閉じこめた水玉が重なりあい、景色がかすむ。
通り雨だったのか、
空から落ちる飛沫はすぐにおさまった。
その時、見覚えのある形のした雲が視界に入った。
空気中にはまだ水分が溢れていて、両目に収まりきらない虹が涼しげに弧を描いていた。
なついたのか、それ以降も空によくあの雲を見かけた。
かわいいし虹を見せてくれるが、じゃれ方が半端じゃない。天気雨はいつも不意打ちで、服のままプールに飛び込んだようなありさまになる。
ファンタジー
公開:20/06/28 12:16
雲
夏
天気雨
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