正義の怪人
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恐ろしい見た目の怪人が、泣き叫ぶ子どもを捕まえて引き裂く......そこで夢から目が覚めた。自分の中に存在する残忍性が恐ろしく、何も感じなくなったごつごつの肌に冷や汗が伝っていくのが見える。今の自分にとって、人間をいたぶることに勝る快感はない。ただ、そうやって自己の欲求にのみ従っていてよいのか、答えが出ず悩んでいた。何も考えずに怪人であることを全うしていれば、日々こんなに苦しくないはずなのに。
怪人と言えば悪だ。悪という存在を討つのが正義であるならば、正義と悪は何が違うのだろうか。昔のことを思い出せないが、正義を全うしているような時期があった気がする。「ああ、頭が痛い」、そこで記憶が途切れた。
気が付くと、眼前には真っ赤に染まった自分の両手が広がっていた。そうしてまた、苦しみが増していく。
怪人と言えば悪だ。悪という存在を討つのが正義であるならば、正義と悪は何が違うのだろうか。昔のことを思い出せないが、正義を全うしているような時期があった気がする。「ああ、頭が痛い」、そこで記憶が途切れた。
気が付くと、眼前には真っ赤に染まった自分の両手が広がっていた。そうしてまた、苦しみが増していく。
ホラー
公開:20/06/28 10:45
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