縄ヘビ(つづき)

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その晩、逃げた縄ヘビの行方が気になってなかなか寝つけなかったぼくも、いつの間にかまどろみの中で眠りについた。
翌朝、ぼくは寝不足の眼を擦りながら起きると、部屋の窓のカーテンを開けて外を眺めた。
すると、驚くぐらい巨大な七色の虹が空にかかっていた。
眠っていて気づかなかったが、夜中に局地的な大雨が降り、朝になって先ほど止んだらしい。
その直後、「縄ヘビが発見されたので登校して大丈夫」という連絡があった。
学校に行くと、先生に呼ばれた。
「夢のような話だが、夜中に大雨が降る中、校舎の屋上で縄ヘビが見つかったので捕まえようとしたら、龍のごとく天に昇って行ったんだ」
そして先生は「憶測ではあるが」と断ったうえで、「雨上がりの空に住むと昔から中国で伝承されている『虹ヘビ』になったのではないか」と語ってくれた。
ぼくは、その出来事がきっかけとなって天気に興味を持つようになり、現在は気象庁で働いている。
その他
公開:20/06/28 07:03
『とってもふしぎな創作ドリル』 「ストーリー15 縄ヘビ」 ヘビ 大雨 雨上がり 中国 虹ヘビ

山田衆三( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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