恥の多い人生

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「はああああー」
ため息をつく僕の頬には「恥」の文字が一つ。
「恥」をかいたときにでるこの文字は下手すると一生残り続ける。

この文字がでた原因? うちの父にはたくさんの「恥」の字があってそれをからかわれたのさ。
友達のりんちゃんの父なんて恰幅が良くてスマートだ。正直うちの中卒のぱっとしない父親を交換したいくらいさ。

りんちゃんの父と食事をする機会があり、つい父の不満を漏らした時、りんちゃんの父は驚いた様子だった。

「見てご覧」
そういって彼がシャツをめくるとそこは恥の字で真っ黒だった。
「恥をかかない人などいないさ、問題は恥をどう活かすかだと思うがね」
何か返事をしようとしたがうまく声が出なかった。
「あと、君の父さんだが叩かれまくった結果、いまじゃ並ぶものもない熟練工さ、私の副社長にと思ったが断られてね」

そうか、と納得したとたん頬がむず痒くなり恥の字が地面にポトリと落ちた。
ファンタジー
公開:20/06/26 15:18

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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