ホームステイ(仮)1

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朝目が覚めると、ベッドの脇に知らない人が正座して僕を見ていた。
「おわぁっ」
僕はびっくりして、後ろへ飛び跳ね、窓枠に後頭部を思いきりぶつけた。
「いってぇ」
「だ、誰だお前は」
「金目の物なら何もねぇぞ」
強盗だと思い、とっさに出た言葉だった。
知らない人は僕の言葉には何も反応を見せず、正座の姿勢のまま、顔を近づけてきた。
30秒程度、僕の顔を見ると、元の姿勢に戻っていった。
その間僕は怖すぎて、微動だにできなかった。
恐る恐る知らない人の全身を観察する。
男。
髪短い。
目細い。
中肉。
30代?
Tシャツにチノパン。
やっぱり、こんなヤツ知らない、誰だ。
膝に置かれている手には、何もない。
刃物などの武器は持っていないようだ。
それに気づき、ほんの少しだけ恐怖が和らいだ。
「おはようございます」
知らない人は言った。
「お、おはようございます」
僕は答えた。
なんなんだこの状況は。
ファンタジー
公開:20/06/26 07:38

Eマイナー

ショートショート作家の田丸雅智さんを知り
自分も物語を書いてみたいと思いました。

初心者ですが、よろしくお願いいたします。

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