真夜中のコンビニデート

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近所のコンビニは真夜中になると雰囲気が様変わりする。それを付き合い始めて間もない彼女に見せるため、僕たちはコンビニへ向かった。
「あれ? 閉まってんじゃん」
コンビニの前で彼女が立ち止まった。真夜中に連れ出されて不機嫌そうだった彼女の顔がさらに曇っている。
確かにコンビニは照明が落ちており、閉まっているように見える。でも、そう見えるだけ。
「大丈夫、開いてるから」
僕は彼女の手を引き、コンビニの中へ入った。
「わぁ! なにこれ? 嘘でしょ?」
彼女が天井を見上げながら目を輝かせている。店内は満天の星で煌めいていた。それはまるでプラネタリウムのように。
「凄いだろ?」
「素敵!」
僕たちはしばらく無言で天井を見上げていた。良い雰囲気だ。僕は彼女の肩に腕をまわそうとした。
「で、なに買うの?」
その言葉に遮られてしまった。そうきたか。
この時間、店内は真っ暗だ。もちろん買い物なんて、できない。
その他
公開:20/06/25 23:55
真夜中のコンビニ 月の音色 月の文学館

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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