アンと機関銃

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「ああ、相変わらずなんて素敵な小川なの!来る度に思うけど、小さな水の妖精が遊ぶからこんなにキラキラと光輝くのかしら。ほら、とても冷たいわ!私はこの小川のほとりでいつか素敵な恋人と、妖精の架ける七色の虹を見てみたい、そう思ってたの。手を取りあって恋人の小径を歩いて、ここで愛を誓うのよ。きっと水の妖精だけじゃなくて、森の神様、風の天使、花の姫君、ありとあらゆるいつも隣にいるのに見えないもの達に祝福されるの。なんて素敵なんでしょう!考えただけで身も心も白すみれの花を見つけた時のように跳び上がってしまいそうだわ。この素晴らしさ、あたなにならわかるわよね?さっきいつか素敵な恋人とって言ったけど、気づいてる?この景色をあなたにだけ見せたかったこと。だからつまり、これは愛の告白なのよ」

いつか読んだ本の主人公みたいな子だなと思いつつ、僕はその機関銃のような言葉の数々に心を撃ち抜かれてしまったのだった。
恋愛
公開:20/06/27 09:22
更新:21/01/19 13:57

深月凛音( 埼玉県 )

みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
猫ショートショート入選『ミルク』
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞『ハチ公、旅に出る』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[節目]入賞『私の母は晴れ女』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[縁]ベルモニー賞『縁屋―ゆかりや―』

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