進化の途中

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私、ミジンコ。
知ってるでしょ?理科の授業でお馴染みだから。
でもね、私たちが変身できるっていうことは、あんまり知られてないの。ふふ、知らなかったでしょ?
あのね、私たち、実はツノが生やせるの。頭の後ろにつくつくって。
あら失礼ね、嘘じゃないわよ。普段はないけど、敵が近づいてくると防御のために生えるの。天敵はボウフラ。でもツノが生えると頭が少し大きくなるから、敵の口に入らなくなるの。すごいでしょ?

噂をすればボウフラだわ!よし!
えいっ!やあっ!
あっ!
あああああーっ…!

「へっ、ちょろいもんだぜ。こいつら、ツノ生やすのに丸一日かかるもんな。はい、ご馳走さん」
あっさりミジンコをひとのみにして、再び水の間を漂い始めたボウフラの腹の中で、ミジンコは小さく呟いた。

『いいの、いつか必ず私たちはツノを獲得する。何百年、何万年かかるか判らないけど、いつかきっと。だってまだ進化の途中だもの』
その他
公開:20/06/26 20:39
ネットで見つけた ミジンコのツノの記事が面白くて ちょっと書いてみました ツノ生やすのに丸一日かかるので 実際には殆ど役に立たないらしい ちょっと気の毒

秋田柴子

2019年11月、SSGの庭師となりました。
現在はnote・TALES・エブリスタなどで活動中。
2026年4月7日に『栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂』(朝日文庫)で商業デビュー。

【刊行】
・栗は月色、こがね色 和菓子処長月堂(朝日文庫)
・第31回やまなし文学賞受賞作品集(山梨日日新聞社)

【活動歴】
・第2回 日本おいしい小説大賞 最終候補(小学館)
・第31回やまなし文学賞 佳作『雨を知るもの』→書籍化
・創作大賞2025 入選 『栗と牡丹』→書籍化
・SSアンソロジー『ベリショーズ』寄稿
・ホラーアンソロジー『ウタ・カタ』寄稿

【note】
 https://note.com/akishiba_note

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