病(心)弱

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「ねぇ、病弱ってなんだっけ。」
学校からの帰り道、自転車を押しながら頼子が聞いてきた。
「病気になりやすいって事じゃねえの。」
「ちゃんと教えてよ。」
スマホを出して検索する。
「からだが弱く病気がちであること。また、そのさま。」
「ふうん。私、病弱かも。」
「嘘だろ。超健康優良じゃん。めっちゃ食うし。」
「煩い。わかんないけどなんか最近ダメなんだよね、気持ちもさ。全然。」
前方をぼんやり心もとなく見つめる頼子は確かに元気がなかった。
「頼子さぁ、勉強しすぎじゃね?ここんとこ土日も遊んでないしさ。今度遊びに行こうぜ。」
頼子が振り向いて俺を見た。目をまん丸にして。
「今わかった。あんたが原因だってこと。」
「は?」
「すごく嬉しかったの。」
頼子は一瞬、俺を力一杯ハグしてから倒れ掛かった自転車にひらりと乗って
「また明日ね!」
走り去って行った。

俺に病弱をうつして。
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公開:20/06/25 09:54

市杜 七( 関西 )

文章を書く練習中です
よろしくお願いします

市杜 七(いちと しち)

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