真夏の雪だるま

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「あ~、暑い、暑い。クーラー付けよ。クーラー。ふぅ~、涼しい」
私は部活から帰ってすぐに部屋のクーラーをつけた。
しばらく経った頃、母親がやって来た。
「あんた、そんなにクーラーばかりに当たって寝ていると雪だるまになるわよ」
「そんな訳ないだろ」

それから数時間後、目覚めると私は本当に雪だるまになっていた。
「なんてこった」
驚くのはそれだけではなかった。家中が冷え切っていたのだ。
両親は「別れる、別れない」の口論をリビングで繰り返していた。
冷蔵庫のビールはキンキンに冷え切っていた。
偶然、訪ねて来た友人はこの状況に引いていた。
私の言ったジョーク「隣に囲いが出来たんだってね。へえ~」はみごとに滑っていた。
「まっ、いっか。折角、涼しくなった事だし。もう一度、二度寝しよっと。グ~、グ~」
次の日、私が目覚めると、外にはマンモスを襲うサーベルタイガーの姿があった。
「ヒュー、クールだね」
公開:20/06/24 22:10
更新:20/06/24 22:13

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