鬼火供養

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私ども行者の間では、鬼火供養と呼んでおります。
墓場に燃えるのは、死体の燐だとか、一種のプラズマ現象だとか、目の錯覚だとか世の人は申しますが、紛れもなく鬼火です。志半ばで潰え、己の本分を失った魂の残り火なのです。
そう、恨みとも申しますね。粗末に扱われ、打ち捨てられた亡骸の怨嗟。報われず弔われず、積もり積もった野晒しの果て、こうして漂うに至るのです。夜な夜な現れる鬼火は、貴方のお家が代々重ねた罪業の証。正しく供養し、あるべき岸へ導いてやらねば、いずれ尽きせぬ劫火となり、全てを灰燼に帰すかも知れません。
えぇえぇ、どうぞご安心を。私どもは行者でございます。墓参の度に使い差した、蝋燭ならびに線香の魂を、七日七夜の御祈祷とお焚き上げで、すっきり浄化いたしましょう。
はい。あくまで修行の一環。祈祷料はお気持ちで結構です。
あぁちなみに、燐寸(マッチ)の方は別途有料となりますが、いかがなさいますか?
その他
公開:20/06/24 20:35
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創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。
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