達人

弘法筆を選ばず、という諺がある。
その道の名人や達人は道具や材料に限らず、どんなものでも使いこなす。という意味である。
達人や名人が使えば、どんな道具や材料だってその本懐を全うする。

こんな話を聞いた事はないか？
剣の達人が振るう竹刀は本物の刀さながらの切れ味を持つ。
ある名人が新聞紙で作られた刀を振るったところ、目の前の獲物が真っ二つになった。

そう。どんな道具でも、それがたとえ玩具でも、名人や達人が使う事でそれは本物となる。

そこで俺の話だ。
俺はガンマンをやっている。
そんな俺が息子の水鉄砲を借りて遊んでいたところ、撃ち出された水はウォーターカッターのように高出力で飛び出し、家の壁に穴を開けた。
信じられない話だろ？これがプロだ。
あと妻に死ぬほど怒られた。

ちなみに作家の友人が握るペンはもっと凄いぞ。
ペンは剣よりも強し。と言う。
鉛筆が机を切り裂くんだと友人は嘆いていた。