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僕はその日、世界一大きな人間になった気分だった。
なんと、タイムマシンを発明したのだ。
高校時代、成績について嫌味を言ってきたあいつーー田中悠斗を殴ってしまったのが原因でいじめられて以来、僕はすっかり自信を失い、就活にも失敗した。
だがーー狭い部屋をぐるりと見回す。このボロ賃貸も見納めだな。だって、過去から戻った時、僕の年収は田中などよりも数倍上のはずだ。
僕は時間移動スイッチを押した。
「結局お前、自頭良い奴には勝てないんだな」
僕は殴りたいのをグッと抑えて教師にチクった。
が、結論を言うと現在は何も変わらなかった。
嫌味で返しても、田中がハブられるように仕向けても、いじめの過去さえ無くなったが部屋はボロのままだった。
「うん。僕は僕でやってくよ」
何十回目かの時間移動に疲れ切った僕は田中にそう返した。
現在に戻ると僕は目を見開いた。
そこは高層マンションの一室だったから。
なんと、タイムマシンを発明したのだ。
高校時代、成績について嫌味を言ってきたあいつーー田中悠斗を殴ってしまったのが原因でいじめられて以来、僕はすっかり自信を失い、就活にも失敗した。
だがーー狭い部屋をぐるりと見回す。このボロ賃貸も見納めだな。だって、過去から戻った時、僕の年収は田中などよりも数倍上のはずだ。
僕は時間移動スイッチを押した。
「結局お前、自頭良い奴には勝てないんだな」
僕は殴りたいのをグッと抑えて教師にチクった。
が、結論を言うと現在は何も変わらなかった。
嫌味で返しても、田中がハブられるように仕向けても、いじめの過去さえ無くなったが部屋はボロのままだった。
「うん。僕は僕でやってくよ」
何十回目かの時間移動に疲れ切った僕は田中にそう返した。
現在に戻ると僕は目を見開いた。
そこは高層マンションの一室だったから。
SF
公開:20/06/25 20:00
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