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「次の方どうぞ。今日はどんなお悩みで。」
青年は一礼し、スーツ姿の男性と向き合った。
「す、すごいですね。まるで本物みたいだ。」
「どうも。さぁ何でもおっしゃってください。」
「実は、転職を考えているんですが不安ばかりで先へ進めないんです。」
「ほほぅ。では悩むのをやめてください。」
「え?ふざけないでください。真面目に聞いているんです。」
男性は微笑んだ。
「いいですか。先へ進めない事を肯定するために『悩む』という状態を欲しているんです。急いでいる時、何故か慌てるでしょう。むしろ落ち着くべきはずなのに。」
男性は続けた。
「悩む事を禁止してみてください。そして本当にやらなければいけない事。棚上げしていることに全力を向けてください。」
青年は頬を打たれたような顔で礼を言い出ていった。
男性はVRゴーグルを外し係員に手渡した。
「スッキリしました。自分の悩みに客観的に向き合えました。」
青年は一礼し、スーツ姿の男性と向き合った。
「す、すごいですね。まるで本物みたいだ。」
「どうも。さぁ何でもおっしゃってください。」
「実は、転職を考えているんですが不安ばかりで先へ進めないんです。」
「ほほぅ。では悩むのをやめてください。」
「え?ふざけないでください。真面目に聞いているんです。」
男性は微笑んだ。
「いいですか。先へ進めない事を肯定するために『悩む』という状態を欲しているんです。急いでいる時、何故か慌てるでしょう。むしろ落ち着くべきはずなのに。」
男性は続けた。
「悩む事を禁止してみてください。そして本当にやらなければいけない事。棚上げしていることに全力を向けてください。」
青年は頬を打たれたような顔で礼を言い出ていった。
男性はVRゴーグルを外し係員に手渡した。
「スッキリしました。自分の悩みに客観的に向き合えました。」
SF
公開:20/06/23 22:30
更新:20/07/07 00:05
更新:20/07/07 00:05
まずは自分が楽しむこと。
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