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人生は天秤のようにバランスが取れるもの。

不幸の後には幸運が舞い込んでくるし、ラッキーの後にはアンラッキーがある。
苦境に耐え続ければ、同情した神様がちょっと運命を操作して人生を好転させてくれる。

そういう風に親から教わってきたもんだから、「30歳まで童貞を守ると魔法を使えるようになる」などという突拍子もない話も、スっと腑に落ちた。

しかし30歳となった今、指から火が出ることもなければ体が透けることもない。
毎日郵便受けを確認してみても、魔法学校からの受験票が届く様子もない。当然、笑ってしまうくらい女も寄ってこない。

もしかしたら不幸が足りないのかもしれない。
もっともっと神様に不幸をアピールしなければならない
だから今日も僕はおんぼろの服を着てアルバイトの面接へ生き、冷房もない狭い部屋でカップラーメンをすする。

「ほら可哀想な僕を見て」と神様に呼びかけるのである。
その他
公開:20/06/24 14:22
更新:20/06/24 15:27

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