めぐるめぐるよバケツは

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「不気味だ」
神社に届けられた持ち手のない謎のバケツ。底の浅そうな外見に反し、中は深い漆黒の世界が広がっていた。
「気配はないですよ」
私も、とバケツを覗いた巫女が言った。彼女は霊感が強い。
「異世界転生神器、とか?」
「厨二病ですか? 知り合いに科学者がいるので調べてもらいましょう」

「うむ。科学の領域を超えておるな」
「教授、これは……」横でバケツを覗いていた助手が言った。「天文学者の分野かもしれません」
「よし、知人に頼むとしよう」

「ふむ。わけがわからんね」
「そもそも空間なんですか?」
「暗黒物質では?」
天文学者たちは、お手上げだと言わんばかりに結論を出した。
「物理学者に任せましょう」

「ふん。怪奇の類いだよ。我々の専門外だ!」
物理学者は半ば呆れ気味に吐き捨てた。

「何かわかったか?」
神社に戻ってきたバケツを手に、巫女が首を横に振り呟いた。
「たらい回し、ですね」
その他
公開:20/06/24 12:12
異空間バケツ スクー

壬生乃サル

まったり。

2021年…11本 (7/7時点)
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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