4.メトロナポリタン

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パスターミナルに降り立つと、湯気と活気で溢れていた。
ここは夢追い人が集まる大都市スパゲシティ。
この街でスープパースターになるのが俺の夢だ。
駅前広場で相棒のテレパスターに麺を張り、毎日俺は歌った。ストレートで芯の残るアルデンテソングだ。
が、誰も見向きもしない。人々の興味は駅前のビジョン。歌姫ポリタンナだ。
彼女の歌は俺と対照的だ。芯のないソフトな歌声。それでいて懐かしい気持ちにさせる不思議な魅力。
いつか彼女と歌いたい。俺の夢は膨らんだ。
ボロ屋で金ネーゼな俺はたらこスパで働き、音楽具材を揃えた。喉のためにタバスコもやめた。
最初は見向きもされなかった俺の歌だが、徐々に人々に届くようになり、遂に俺は音楽番組でポリタンナとの共演を果たした。
「あなたの音楽と歌の絡み具合、最高よ。私とコラボして下さらない?」
夢じゃない。今までの日々を信じて力強く返した。
『フォークソングでよければ!』
SF
公開:20/06/24 11:50

そるとばたあ( 神奈川 )

★そるとばたあの400字SSは、ことば遊びと文章のリズムにこだわり、音を体感できる物語がコンセプトです!

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