不幸な人々
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神様は困っていた。沢山の幸福を人に与えているにも関わらず、不幸な人があまりにも多いからである。
そこで、試しに幸福の量を増やしてみた。
「確かに幸せな人はより幸せになっている。心に余裕ができ、金も増え、人脈も広がっている。しかし、元々不幸な人はあまり変わらない」
幸福の量をさらに増やしても同じだった。
「なぜだ? なぜ、みな一律に幸せにならんのだ?」
そこで、不幸な人代表として、数刻前に自殺した青年を呼び寄せた。
「なぜ、貴方は自殺したのですか? なくなる前の数日間、幸福な出来事が増えたはずです」
青年はため息をつきながら言った。
「多少幸福なことが増えた所で何になる。世の中には不幸の方が圧倒的に多い。希望が持てん」
おかしい。神様が与えた不幸、その一人当たりの分量もほとんど差はないのだ。
そこで神様は気づいた。
「そうか、環境の問題ではなく、受け取り手の問題であったか……」
そこで、試しに幸福の量を増やしてみた。
「確かに幸せな人はより幸せになっている。心に余裕ができ、金も増え、人脈も広がっている。しかし、元々不幸な人はあまり変わらない」
幸福の量をさらに増やしても同じだった。
「なぜだ? なぜ、みな一律に幸せにならんのだ?」
そこで、不幸な人代表として、数刻前に自殺した青年を呼び寄せた。
「なぜ、貴方は自殺したのですか? なくなる前の数日間、幸福な出来事が増えたはずです」
青年はため息をつきながら言った。
「多少幸福なことが増えた所で何になる。世の中には不幸の方が圧倒的に多い。希望が持てん」
おかしい。神様が与えた不幸、その一人当たりの分量もほとんど差はないのだ。
そこで神様は気づいた。
「そうか、環境の問題ではなく、受け取り手の問題であったか……」
ファンタジー
公開:20/06/25 15:00
更新:20/06/23 17:19
更新:20/06/23 17:19
お立ち寄りありがとうございます。ショートショート初心者です。
拙いなりに文章の面白さを追求していきたいと思って日々研究しています。
よろしくお願いします!
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