雌雄アゲ員

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暑い。酷暑である。
それでも動物園は人出で賑わっていた。しかし誰もが浮かない表情をしている。
動物たちが一様にぐったりしていたのだ。
暑さに強いはずの動物までもが寝そべってピクリとも動かない。
このような日が続き、動物園から人出が減り始めていた。
このままでは経営難に陥ると慌てた園長が秘策を打ち立てた。
「君たちは【飼育員】ではない。今日から【雌雄アゲ員】となるのだ」
「しゆう……アゲいん?」
「どういう事です?」
「ヒトも動物。つまり動物も男女関係ひとつでテンションも上がる。メスとオスをラブラブにさせ、気分をアゲアゲにさせるのだ!」
このトンデモ秘策に戸惑いを隠せない飼育員たち。しかし園長はノリノリだ。
「動物がアゲアゲになれば、お客様もアゲアゲとなる。そしてたどり着く先は【See you again.】なのだ!」

のちに、この動物園からはお客さんだけでなく、飼育員までもが消えていた。
その他
公開:20/06/21 23:40
絶滅飼育員 スクー 雌雄アゲ員(400字ver.)

壬生乃サル

まったり。

2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)

壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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