父の悩み

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今日は父の日だと言うのに、妻はおろか子供達も僕に何も言ってこない…
先月の母の日、僕は妻に花束を贈った。子供達は手作りの肩叩き券を妻に渡し、母子の触れ合いを目にした僕はとても羨ましいと感じた。
僕も肩叩き券でいいから欲しいなぁ…
「はい、パパ。今日は父の日でしょ。肩叩き券あげる」
妻が、子供達が僕に肩叩き券をプレゼントしてくれた。これは…凄く嬉しい!
「ありがとう。じゃ、早速使っていいかな?」
そう言って、肩叩き券を差し出すと、ドロン、という音と共に肩叩き券が屈強な男へと変化していた。
『式神・肩叩き。精一杯ご奉仕させて頂きます!』
擬人化した肩叩き券の肩叩きは見事なものだった。コリの酷かった肩が凄く軽くなったよ。
でもさ…そういう事じゃないんだよ…僕が求めているのは父子の触れ合いなんだよ。僕妻の触れ合いでもいいんだよ。
妻よ…何で父の日のプレゼントに実家の陰陽術を使おうと思ったんだい?
ファンタジー
公開:20/06/21 19:12

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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