スーパーのかご

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「あれ、かごの数が合わない」

スーパーの店員が首をかしげる。こんな光景が、日本のあちこちで見られていた。
それもそのはず、悪の天才科学者Q博士がスーパーからかごを盗んでは家にストックしていたのである。全国津々浦々のスーパーからかごを少しずつ盗んだ博士の家には、埋め尽くされるほどのスーパーのかごがあった。
そして博士は、自身の科学技術を生かしてかごを解体し合体し戦闘用ロボットを作り上げた。

「何と戦うんだい?」
「今から大量のスーパーが俺を訴えに来るだろう。そいつらをこれで、撃退してやるのさ。巨大ロボットは男のロマンだ!」

理由を尋ねられた博士は嬉々としてそういった。
しかし、最初にかごを盗んでから30年、ロボットが完成したころには殆どの店が合併したり潰れたりしていた。その後、ロボットは博士の孫によって「懐かしのスーパー博物館」にさらに改造されることになるのだが、それはまた別のお話。
青春
公開:20/05/05 05:41

えふちゃん( にほん )

えふちゃんといいます。
高校の時から書きためていたショートショートをあげていければな…と思います。

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