HERO

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GW。
昔やったヒーローショーのバイトを思い出す。
5月3日・4日・5日の3日間とも悪役の着ぐるみの中にいた。
まずとにかく暑い。
悪役の邪悪な演出ではなく、暑さゆえの湯気が出る。
でも思い出すのは暑さや湯気ではない。
ショーのことでもない。
思い出すのは写真撮影の時のこと。
僕は悪役をやっていた。
子どもたちがパンチやキックをしてくるのだ。
ショーでヒーローがするパンチやキックの8倍は痛い。
ただ、子どものやることだから仕方ないとは思う。
善と悪の判別が小さいながらできるのは良い。
だが、親が子に「パンチしてこい」だの「キックしてこい」だのはやめてほしい。
ヒーローは闘うことを好んでいるのではない。
悪が悪行をするから闘うわけで、写真撮影中の悪役は悪行をしているのではない。

散々子どものパンチとキックをあびた僕を労ってくれたのはヒーロー役の人。
この控室での様子は見せられない。
その他
公開:20/05/05 03:54

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