赤い花です

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 谷川俊太郎さんに、「赤い花、といって赤い花を思い浮かべるのか。怠け者め」という感じの詩が、たしか。
「では、想像してください。赤い花を」
(待ち時間:ブタブタコブタ。エースコックのブタキムチ。異人さんにつれられて、いちゃいちゃして騙されろ!)
「いかが?」
「アネモネかしら? チューリップかしら? ケシかしら? 緋牡丹かしら? 植物図鑑には決して掲載されることのない幻の、チューリップかしら? 臭いラフレシアかしら? わかりません。でも、私はそれを描くことができます」
「では描いてください」
(待ち時間:鶴は千年噛めまんねん。なんで大阪弁の歯の話になんねん知らんけど、長生きは三文の得とか申しますが、85歳支給開始の年金の月額が二兆三千億万円では……)
「描きました」
「おや。漢詩ですか」
「わかります?」
「いえ。しかし想像することはできますよ。あなたの赤い花を」
(熱愛のThe End)
その他
公開:20/05/05 01:17

新出既出

星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。

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