手袋の秘密

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ある朝、外に出ると手袋がたくさん落ちていた。いろんな色で大きさも色々だった。近所の人たちが「何だろう?」と外に出てきている。
町内放送が流れた。
「手袋ゲームです!たくさん拾って下さい!上位5名の方々に宇宙旅行をプレゼント致します」
わっという歓声とともに手袋ゲームが始まった。
「やった!」
ぼくが一番だった。贈呈式では拾った手袋と『宇宙旅行券』がもらえた。
「おめでとうございます!宇宙旅行をお楽しみ下さい。この手袋はシャトルの中で一個だけ食べていいですよ。体が温まりますから」
手袋をかじったら、とても甘くて美味しくて、本当に体がポカポカしてきた。
ステーションにつくと放送が流れた。
「これから実験に参加してもらいます。生きて帰れる確率は1%もあります。頑張りましょう。極寒の星で、手袋だけでどれだけ生き延びられるかの実験です」
ぼくはロボットに洋服を脱がされて、拾った手袋を装着させられた。
その他
公開:20/05/05 00:22
更新:20/05/05 12:30

深月凛音( 埼玉県 )

みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
猫ショートショート入選『ミルク』
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞『ハチ公、旅に出る』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[節目]入賞『私の母は晴れ女』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[縁]ベルモニー賞『縁屋―ゆかりや―』

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