宇宙儀

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これは、太陽・地球・月の運行を再現した「三球儀」と呼ぶ天体模型だよ。
ポーランドの天文学者であるコペルニクスが唱えた地動説を基に、歯車の回転によってアームを取り付けた惑星の模型を動かすことにより、惑星相互の位置を確認するんだ。
実は、この三球儀に似た「宇宙儀」という代物を、ビッグバンを起こした創造主も使っていて、太陽系や銀河系など宇宙に無数ある惑星を動かしている。地球が自転したり太陽の回りを公転したり、月が地球の衛星であるのもこのためだ。
宇宙儀の動きが鈍くなると、創造主が惑星を取り替えたりメンテナンスするので、それが惑星の誕生や爆発となって現れる。また、宇宙儀から出る塵埃は、夜空で見かける流れ星となって我々は見ることができる。
ただ、時たま創造主の子が、宇宙儀を玩具にして遊んでしまい、落としたりすることがあるんだ。そうなると、宇宙儀が壊れてしまって再びビッグバンが起こるかもしれないよ。
SF
公開:20/05/04 22:35
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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