タイムトラベル家族

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「ただいま」
「二人ともまた未来?」
「おう、孫の顔見たさに」

一家に一台タイムマシンの時代、今や時間旅行は当たり前だ。

「でもさ、いつも急に押しかけて未来の僕達は迷惑してない?」
「いや、迷惑どころかパパ同士意気投合」
「……そりゃ自分同士はね」
「実は連れてきてるの!」

タイムマシンから、少し年老いた両親が姿を現した。

「懐かしいな!この間取り」
「ヒロ君、若い!」

二組の両親に囲まれると、妙な気分だ。

「で、サキさんとはどう?まだプロポーズ前でしょ?」

痛い所を突かれた。

「いや、実はさっき『別れたい』ってメッセージが……」
「ええー!」

驚きの四重奏。

「おい、未来が変わるぞ!」
「未来のパパ、気を確かに!」
「孫が、孫が幻に……」


「すごいの、干渉が。過去からも」
「それやだー」

その頃、サキの部屋に未来のサキが来ていたことを、僕達は知るよしもなかった。
その他
公開:20/05/04 15:33
更新:20/05/05 00:14
◯◯家族

makihide00( 鳥取→東京→福岡 )

30代後半になりTwitterを開設し、ふとしたきっかけで54字の物語を書き始め、このたびこちらにもお邪魔させて頂きました。

長い話は不得手です。400字で他愛もない小噺を時々書いていければなぁと思っております。よろしくお願いします。

Twitterのほうでは54字の物語を毎日アップしております。もろもろのくだらない呟きとともに…。
https://twitter.com/makihide00

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