ポケティ家族

『ポケットティッシュの販売、携帯、使用
が本日正午より、原則禁止になる事が政府により発表されました。政府によりますと、環境及び人体への影響を懸念し、判断を下したとの事です』
「……なにそれ？」
朝食を食べながら朝のニュースを見ていたタケオミは急過ぎる決定事項に困惑していた。
「今日のポケットティッシュはどうしたらいいんだ⁉︎」
「お兄ちゃんどうしたの？」
「聞け、妹よ。今日からポケットティッシュ使用禁止なんだってよ！」
「えっ⁈ヤバいじゃん⁉︎どうすんの⁈」
「どうするもこうするもポケットティッシュ無しで生きていくしかないだろ？」
「お兄ちゃん、ポケティ無しで生きて行けるの？」
「……ムリだ。だって、手を洗ったら何で拭けばいいんだ⁉︎」
「お兄ちゃん……」
突然、妹は自分の袖を引きちぎりハサミで四角に切って俺に差し出した。
「これ、使って」
俺はハッとした。
「妹、おま、天才か⁈」