周波数の合わないラジオ

0
3

「%$€2☆♪○〒〆<#€÷¥0?&a」

「…ねぇ!ちょっと聞いてるの⁉︎」

「私がしゃべってるんだからTVなんて消しなさいよ!」

「でね、〇〇さんがね」

(…しかしよくこれだけ喋り続けられるもんだよなぁ)

妻は起きてる間、四六時中喋っている。
さながらラジオのようだ。

「なぁ、ちょっといい?」

オレは意を決して強行に出た。

「なに?てかまだ私がしゃべってるんだけど。」

「いや、昔の彼氏にもこうやってずっと喋ってばっかりだったのかなって。」

「そんな訳ないじゃん。あなたは黙って聞いてくれるからよ。」

ほ、ほぅ…どうやらオレは歴代の中でも特別な男らしい。

そりゃそうだろう。
オレのようなできた男はそうそういるはずがない。

「ふーん、それでオレと結婚したんだ?」

「ハァ?今そんな話どうでもいいんだけど。」

…このラジオはチューニングが難しく、時折ノイズが入るのだ。
その他
公開:20/05/03 12:22
更新:20/05/03 12:30

タカハシ( 日本 北陸 豪雪地 )

はじめまして。
板前をしながら書いています。
初心者なので、アドバイスや感想など聞かせていただけたら嬉しいです!

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容