CANDY

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 男の好物はCANDYだった。
 CANDYは一日に一個だけと決めていた。

 昨日、男は真っ赤なCANDYを食べた。
 CANDYは火花を散らし男の舌をこがした。
 しかし熱さがすぎると、甘い香りと芳醇な味で男を楽しませた。

 今日、男がなめたCANDYは固い小さなCANDYだった。
 男が口に入れた途端、CANDYは味わうことなく消えていった。

 男は悪態をつきながら、明日食べるはずのCANDYを物欲しげに見つめた。
 明日のCANDYは水色に輝き、ジューシーそうだ。
 男は口を近づけたが、ルールを破るのも嫌だと思い、口を遠ざけた。
 やはり食べたいと思い、再びCANDYに口を近づける。

 そのころ地球では、昨日太陽が消え、今朝になると月まで消えていたことでてんやわんやの大騒ぎだった。
 さらに困ったことに大きなブラックホールが地球を飲み込もうとしたり、離れたりする……。
SF
公開:20/05/04 06:22
更新:20/05/04 06:29

牧原加奈( 大阪府 )

牧原加奈です。
よろしくお願いします。

https://twitter.com/makihara_kana

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