コンティニュー家族

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十五歳の誕生日の早朝、覆面姿の男に起こされ言われた。

「君の今までの人生はお試し期間。このまま続けますか？」

寝起きの頭では理解できない。いや、寝起きでなくてもきっとそう。

平凡な両親のもとで特に不自由なく暮らしてきた。しかし、時に他の家庭が羨ましく思えることもなくはなかった。

「……続けない場合は？」
「リセット。もう一度別の環境でやり直し」

脳裏に浮かぶ両親の顔……リセットできるわけがない。僕は書類にサインした。

「契約成立。では、よい人生を」

進学、就職、結婚……それから節目がいくつも訪れる中で挫折も後悔もあった。でも、あの時自分が選んだ人生だからと思い直し、懸命に前へと進んできた。

そんな折、父が亡くなった。実家での遺品整理。タンスの奥にしまってあったものを見て、僕は悟った。

「……意外とぴったりだな」

今日は息子の十五歳の誕生日。