伏線家族

あいあい、それが私の名前だ。子供の頃は父に無理矢理オランダ語を習わされた。毎年の誕生日プレゼントはマンホールの蓋、服は町娘のような着物。全く意味が分からない。子供をおもちゃか何かと思っているのか。こんなふざけた親の元に生まれたら絶対不幸な人生になる。

しかしそんな私でも運命の人に出会った。彼は町を歩く私の着物姿に心惹かれたそうだ。彼の職業はオランダと日本を行き来する貿易会社の社長。趣味は変わった柄のマンホール蓋収集。彼はオランダ語で私にプロポーズをした。そして私は脇さんと結婚した。

和気あいあいな家庭を築けよ

メッセージと共に結婚祝いを父が送ってきた。中には赤いランドセルが二つ入っていた。父も年を取ったな。伏線が簡単に読まれるなんて。

私はお礼にメッセージを送った。

「おせっかいな父さんなんか、孫の顔も見れず母さんに捨てられて早死にするよ」

私はフラグを立てるのが得意だ。