おかたづけ

「みんなー、おかたづけの時間よー」
先生がそう言って皆が片付けを始めた。
次はお昼寝の時間。お布団を引く為におもちゃを片付けなきゃいけない。もっと遊びたいのになぁ…
だから僕の手はだらだらと動いてしまう。
僕とは逆に修の手は早い。必死にお片付けをしている。さっきまで一緒に遊んでいたのに薄情な奴め。

昼寝の時間。僕は気になって修に聞いた。何で必死にお片付けしたんだ？
「お片付けしないと…あれを食べさせられるから…」
あれ？あれって何？詳しく聞こうとしたら、修は布団を被って震え始めた。変な奴…

幼稚園から帰って来るとママに「お片付けしておいて」と言われた。
あとでー、と答えて、僕はやらなかった。

その日の晩ご飯。僕の目の前にお茶漬けが置かれた。
ご飯の上に乗っているのは僕の玩具。切り刻まれたアカレンジャーの頭が僕をじっと見ている。
ママは「お片漬け、残さず食べるのよ」とにっこり微笑んだ。