枕に濡らされる

0
2

毎日毎日会社と自宅の繰り返し。
仕事はうまくいかない。
おれは酒に逃げてスーツを着たまま横になっていた。
その時、突然枕が泣き出したのだ。
「じつは彼女と離れ離れになってしまいました。彼女にもう一度会いたいので力をかしてください」

無視してもよかったのだがおれは枕が変わると一睡もできない男なのだ。
翌日には会社に辞表を叩きつけ、リュックサックに枕を詰めて恋人探しの旅に出発した。
日本一周、山という山に登り、島という島に行った。
枕の彼女は海外にいるという情報を手に入れたので海外へ飛んだ。
砂漠を越えて、山に登り、川を下った。
枕の彼女はおれよりも年下で明るくて笑顔が素敵な人間の女性だった。
それからおれは快適な新しい枕を求める旅に出る。
青春
公開:20/05/02 11:53
更新:20/05/02 11:56

ばるさみこ

初心者ですがコメントやアドバイス等よろしくお願いします。
 

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容