ゾクゾク家族
4
10
里穂の実家へ二人で訪れた。僕は震える手で目の前の襖に手をかけた。襖を開けると、着物を来た中年紳士が仁王立ちしていた。
「お父さん!お嬢さんを下さい!」
紳士は静かに首を振った。
「私は里穂の叔父だよ」
紳士の横にスーツ姿の男が現れた。
「お父さん!」
「私は里穂の伯父だよ」
タキシード姿の男が「私は祖父だよ」
まわしを締めた男が「儂ははとこじゃ」
忍者姿の男が「拙者は叔母の叔父でござる」
気がつけば部屋には続々と親族が集まり、気がつけば百人以上いた。僕は土下座した。
「ご家族の皆様!里穂と結婚させて下さい!」
返事が無い。僕が頭をあげると、そこには誰もいなかった。そして何か背筋にゾクゾクするものを感じた。
振り返ると、里穂はナイフを握り締めていた。
「あなたは従兄弟ね」
ナイフが近づくのをスローモーションで見ながら、まだ被らない格好があったか悩んでいた。
「お父さん!お嬢さんを下さい!」
紳士は静かに首を振った。
「私は里穂の叔父だよ」
紳士の横にスーツ姿の男が現れた。
「お父さん!」
「私は里穂の伯父だよ」
タキシード姿の男が「私は祖父だよ」
まわしを締めた男が「儂ははとこじゃ」
忍者姿の男が「拙者は叔母の叔父でござる」
気がつけば部屋には続々と親族が集まり、気がつけば百人以上いた。僕は土下座した。
「ご家族の皆様!里穂と結婚させて下さい!」
返事が無い。僕が頭をあげると、そこには誰もいなかった。そして何か背筋にゾクゾクするものを感じた。
振り返ると、里穂はナイフを握り締めていた。
「あなたは従兄弟ね」
ナイフが近づくのをスローモーションで見ながら、まだ被らない格好があったか悩んでいた。
その他
公開:20/05/02 08:37
更新:20/05/03 06:08
更新:20/05/03 06:08
○○家族
たらはかに
https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。
ログインするとコメントを投稿できます