つながる家族

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起きたら電車ごっこみたいに家族が繋がっていた。先頭がママ、次が僕、お姉ちゃん、パパが最後尾。
ママが出発進行!の号令をかける。ガタンゴトン。パパが乗る電車に間に合うように駅に向かう。駅に到着するとパパの手がお姉ちゃんの肩から離れた。次は僕らの学校だ!正門に着くとお姉ちゃんと僕の手が離れた。「行ってらっしゃい」先頭車両のママがガタンゴトン家に戻っていく。
次の朝、家族が輪になって繋がっていた。くるくる回りながら駅に向かう。駅でパパが離れると、「楽しそうね」と知らないおばさんが輪に加わった。僕らは回りながら学校に向かう。学校に着くと、友達が輪に加わって僕らは始業のチャイムがなるまでずっとくるくる遊んだ。
次の朝、家族は繋がってなかった。今日は学校も会社もお休み。ママが「天気がいいね」と僕と手を繋いだ。僕はお姉ちゃんと手を繋いだ。お姉ちゃんはパパと手を繋いだ。僕らはやっぱり繋がって外に出た。
その他
公開:20/05/02 08:25

むう( 地獄 )

人間界で書いたり読んだりしてる骸骨。白むうと黒むうがいます。読書、音楽、舞台、昆虫が好き。松尾スズキと大人計画を愛する。ショートショートマガジン『ベリショーズ 』編集。そるとばたあ@ことば遊びのマネージャー。

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