高額な白い粉

「最近は白い粉が高額でネットに流されているようだ」
　そんなことを真面目に言う父を見て、僕はため息をついた。
「しかも、白い粉を買えない住民が大量に出ているらしい」
「別のもので代用したらいいのに」
「そう言うものではない。あれは他に替えがきかないものだ」
「そもそもさ、見ず知らずの人から買うのなんか、怖くないのかな」
「それでもほしい人は多いのさ。自らの安らぎのために」


　まったく、ホットケーキミックスやら小麦粉やらの高額転売とか、頭がおかしいんじゃないだろうか。そう思いながら、僕は戸棚にある大量の小麦粉をじっと見ていた。