裏返しのくつ下

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携帯のアラームで一度は目を覚ますものの、迷わずそれを止める。

どうせ起きる気もないくせに10分ごとにセットするのは昔からのクセだった。

いよいよの時間になると這うようにベッドから起き上がり渋々と顔を洗う。

一人になってからは朝飯も食べなくなり、昼はいつもコンビニのカップラーメンとおにぎりか、その辺の定食屋で済ませるようになった。

ワイシャツのシワを気にしたのも最初だけでジャケットを着ていれば見た目にはさほど気にならない。

今は身支度も干してある所からそのまま着替えてしまう。

ただ、さすがにくつ下が裏返しのままではどうにも気持ち悪く、慌てて履き直した。

こんな生活がいつまで続くのだろうか…

洗濯物が虚しくぶら下がっていた。



「もしもし…オレが悪かったよ。戻ってきてくれないか?」

「今回は3日かぁ。ま、あなたにしてはがんばった方ね。」

オレはまた簡単に手の平を返した…
その他
公開:20/05/02 13:19
更新:20/05/02 13:29

タカハシ( 日本 北陸 豪雪地 )

はじめまして。
板前をしながら書いています。
初心者なので、アドバイスや感想など聞かせていただけたら嬉しいです!

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